絵画の種類は大きく分けると具象絵画と抽象画があります。
具象絵画は簡単に説明すると、風景や人物、静物をそれとわかるように描いたものです。
それに対して、抽象画は一見すると何を描いているのかわからない絵がほとんどです。
多くの方は「抽象画はわからない、理解できない」とおっしゃいます。
確かに、こどもの落書きのようなものや、幾何学的で何を描いているのかわからないものでは、良さがわかりづらいかもしれません。
写実的なものであれば、どれだけその対象物が本物に似ているかという点で鑑賞することができますが、落書きのような絵画や色だけがキャンバスに塗ってあるもの、何をモチーフにしたのかさっぱりわからないものなど、抽象画の鑑賞方法がわからず楽しめない方も多いようです。
ここでは、背伸びせず身構えず、リラックスして自然体で抽象画を楽しむ方法をご紹介いたします。
鑑賞の時のポイント
抽象画を楽しむためには以下のようなポイントがあります。
観たままの美しさ、面白さを感じ取る
「作者は何を言いたいのだろう、どんな意図で描いたのだろう、題名との関連性は?」などは考えず、楽しい風景、きれいな風景を楽しむ感覚で鑑賞してみましょう。
風景には意図も意味もありません。
ただただそこに心惹かれる何かがあるだけです。
想像する
また、作品について想像する楽しみ方もあります。
抽象の意味を辞書で調べると、『事物や表象を、ある性質・共通性・本質に着目し、それを抽(ひ)き出して把握すること。その際、他の不要な性質を排除する作用(=捨象)をも伴う』とあります。
そうすると、抽象画は対象となるモチーフの形や色を排除し、その性質・共通性・本質だけを描いたもの、ということになります。
作者がなぜこのモチーフを選んだのか、作者の性格や人生、描かれた時代の背景などを知り、なぜこの作品が生まれたのか、このタイトルはどうやってつけられたのかと、思いを巡らせるのも楽しいものです。
ただ、そこに正解はなく、自分自身の想像を楽しむだけでいいのです。